ピックアップの年代毎の変化
テレキャスター のピックアップも時期によって構造だったり音の傾向が異なったりしていますのでまとめてみました。
初期 〜1954年 アルニコ2マグネット フラットポールピース

フラットポールピース
初期のテレキャスター のピックアップはポールピース(ピックアップに刺さっている銀色の丸い棒)の高さが同じ全てフラットな形状をしていました。各弦の太さ、ラジアスによる弦とポールピースとの距離等は考慮に入れていなかった状態です。
でも正直、私が持っている52テレキャスター は弦毎の音量バランス悪いなとかは、正直思わないんですが、、、
アルニコ2マグネット
また、この頃のポールピースにはアルニコ2マグネットという磁石が使われています。アルニコというのは「アルミニウム(ALuminum)、ニッケル(NIckel)、コバルト(CObalt)の頭2文字ずつを取った造語です。」(fender公式ページより)だそうです。この後登場するアルニコ5はもっと磁力が強かった様です。
アルニコ2を使ったピックアップの特徴としては、甘く枯れた音質とのことです。
ただ、一方ではこの時期のピックアップは鮮明でダイナミックなトーンだと言われたり低音が強いと言われたり、様々な意見が飛び交っています。。
私の52テレキャスター に対する個人の感想として、一言で解決するなら、「セッティングにより色んな音が出る。」です。
フロントはクリーンでは甘い音も出しますし、ブリッジピックアップを歪ませればカラッと乾いた音になりますし、セッティング次第では重めの歪みも出せますし。
オールラウンドなピックアップって言うことでしょうね!
ブラックボビン
この時期はピックアップの下側が黒いです。
色が違うだけっぽいですが。一応、時代分けをするポイントです。
1955〜 1963 アルニコ5マグネット スタガードポールピース

スタガードポールピース
この頃からポールピースの高さが各弦によって異なります。
6→4弦に向かって高くなり、1、2弦は低いという状態です。
これは指板ラジアスが急なフェンダーギターでは、3、4弦がポールピースから距離が遠くなるということで、音量バランスを整える為に行われた工夫です。
3弦が一番高くなっているのは、当時は3弦も4〜6弦と同じように巻弦が使われていて、芯のも細かった為、音をしっかり拾う為には3弦を高くしなければいけなかったそうです。
アルニコ5マグネット
この頃からアルニコ2より更に磁力の強いアルニコ5マグネットというものが使われています。
フェンダー公式曰く、アルニコ5は「アグレッシブでパンチのある音」だそうです。正直なんのことだかよく分かりません。。。
いずれ、磁力が強くて、出力も強めってことでしょうか??
もしかして私のストラトのネックピックアップが「バチん」って感じの音がするのはそういう影響でしょうか。
その他のレビュー等を見るとブライトな音だというレビューも有ります。。。
出力強くて明るい音ということにしておきましょう。いつかこの年代のテレキャスター リイシューとかを買うことが出来たらレビューします。
1964 〜グレーボビン

グレーボビン
この時期はスタガードポールピース、アルニコ5という部分は変わりませんが、ボビンが黒では無くグレーです。
グレーボビンの時期は「エッジが効いていてロックな音」「鮮明な音」とかいうのを見ますが、まあ、ボビンの色が変わって音が変わるなんて、もはやグレーという色を見た先入観がそうさせてるとしか思えませんが、弾き比べをしてみればわかるのかもしれません。
マグネットワイヤー
ストラトは63年までのピックアップのマグネットワイヤー(磁石に巻く銅線)はヘヴィー・フォームバー皮膜という物だった様です。その後64年頃にプレーン・エナメル皮膜という物に変更になっています。
それに対してテレキャスターは当初から一貫してプレーン・エナメル皮膜が使用されています。
この辺のストラトの音の変化から、グレーボビン=エッジが効いたロックな音という印象が付いたのかもしれません。
それぞれの材質の傾向としては、
エナメルは「倍音豊か」「音に厚みが出る」「柔らかい音質」
フォームバー「倍音のまとまりが良い」「音抜けが良い」「タイトな音質」
ということです。。。
また、1975年以降、ストラトはフラットポールピースに戻る様ですが、テレキャスター はずっとスタガードポールピースです。
色々調べてみると年代毎の違いとともに、ストラトとの違いもわかってきました。
おもしろいですね。
おわり